劣情、灼け落ちて。

 例えば、見た目によらず喧嘩早いところ。

 例えば、元服をとうに過ぎた歳の頃にしては幼い顔立ち。

 かわいい、と思ったら止められなかった。

 俺だけの可愛い平助。

 この想い【劣情】は、俺だけのものだ。

 そう思っていたのに。

「藤堂隊長って、可愛らしいですよね」

 どろりと、胸の内で何かが灼け落ちる。

 あいつを可愛いとおもうのは、おれ一人で良い。

 踏み荒らされ溶けた白雪は、もう白には戻れない。

あとがき

湿気がすごい、湿度がすごい。私が原さんを書くとどうしてこうなる…。身内にも湿度がヤバいと言われたSSでした。