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かいくんのぺ~じ

No.19

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イメージカクテル、なるものが流行っているらしい。
注文者をイメージした配合の洋酒を、作ってくれるサービスがあるのだと。

行ってみねぇか、と誘われて足を運んだのは、カルデアの片隅で静かに営業されているバー。

壮年のバーテンダーは、カルデアでも指折りの要注意人物…とマスターに言い聞かされ、あまり交流のなかった弓兵のサーヴァント。

愛想良く迎え入れられ、カウンターへ案内されたもののどうもこの人の眼は苦手だ、と本能が警鐘を鳴らす。

蛇の…いや、夜闇で絡まる蜘蛛の糸のような、捕食者のそれとも違う、もっと巧妙に隠された…罠のような。

とにかく、この人の視界に入っていると、ゾワゾワとして落ち着かない。

そんな居心地の悪さを振り払い、イメージカクテルなるものに興味があって来たと伝えると、二言返事でグラスを用意し、慣れた手つきで配合を始めた。

「さ、ドーゾ。」
ものの数分で目の前に差し出されたグラスの鮮やかな彩りに、暫し目を奪われた。

陽の落ちる空の様な蒼から緋へ移り変わる美しい色合い。
細かく砕かれた氷が薄明に浮かぶ星の様に照明を淡く照り返してキラキラと輝く。
こんな美しいものを出されるとなんともむず痒い気持ちになるが、素直に嬉しいとも思う。

ただ。

「…この、色合いは…」
「ン?まぁ、キミは随分と分かりやすいからネェ。折角なのでお近づきの印に、イメージに使わせて貰ったヨ。」

分かりやすい?僕が?

蒼の底に沈む緋色。
誰にも気付かれない様に、決して悟られない様に
内に深く深く沈めた想いのような———

「平助、どーした。呑まねぇのか?」
緋色の———
貴方の、色。

「い、ただきます!!」
思考を振り払うようにグラスを飲み干す。

甘さと酸味の後に、酒気が臓腑に流れ込む感覚がしてくらりと僅かに視界が揺れる。

顔が熱いのは、きっと、このカクテルのせいだ。

SS寄稿:莢咲 星
https://x.com/WisteRi_Aria

原藤

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